パイナップルは着床率を上げる？妊活に効果的なフルーツや食べ物を解説

2024年4月30日

「パイナップルを食べると着床率が上がるって噂は本当？」「妊活中にフルーツを食べても大丈夫？」

この記事ではご覧のような疑問を解消するために、パイナップルの効果や妊活中にフルーツを食べるときの注意点などを詳しく解説していきます。

パイナップルを食べれば確実に着床率が上がるという医学的・科学的根拠はありません。ただし、パイナップルには子宮環境の改善・卵子の質向上に役立つ栄養素や酵素が含まれています。

また、合わせてパイナップル以外で着床率が上がる可能性があるフルーツや食べ物もご紹介していきますので、いま妊活をしている方はぜひ最後までご覧になっていってください。

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パイナップルは着床率を上げる？妊活に必要な本当の知識

まずは「パイナップルを食べると着床率が上がるのか？」をテーマにしながら、妊活に必要な基礎的な知識を解説していきます。

パイナップルと着床率の関係

パイナップルを食べると着床率が上がるという医学的根拠はない
パイナップルが妊活に与える効果やメリット
パイナップルを食べる際に気を付けること

パイナップルと着床率の関係やパイナップルに含まれている栄養素などをあらためて確認してみてください。

パイナップルを食べると着床率が上がるという医学的根拠はない

冒頭でも伝えた通り、パイナップルを食べると着床率が上がるという医学的な根拠はありません。

ネット上で「パイナップル＝着床率を上げる果物」という噂が広まっているのは、おそらく個人ブログやSNSで発信された情報が自然と広まったものと考えられます。

パイナップルを食べれば着床率が上がるといった噂の根拠には「パイナップルに含まれている酵素」が関係しています。

ブロメライン（パイナップルから発見された酵素混合物）は、急性の鼻や副鼻腔の炎症に対する標準的な治療法に追加する形で有用であるかもしれませんが、他のタイプの炎症に有用であるかどうかを示す十分なエビデンスはありません。
引用：eJIM（厚労省）｜筋骨格系の炎症に対する栄養学的アプローチについて知っておくべき7つのこと

パイナップルには抗炎症作用が認められている「ブロメライン」という酵素が含まれています。

このブロメラインを摂取することで子宮内膜の炎症を抑え、結果的に着床しやすくなるというのが噂の真相です。

確かにブロメラインを鼻炎などの治療薬として用いている国はありますが、子宮内膜にも効果があるかは分かっていません。

以上の理由からパイナップルを食べれば着床率が上がるというのはあくまで噂話のひとつと判断しています。

パイナップルが妊活に与える効果やメリット

直接的に着床率を上げる効果はありませんが、パイナップルには妊活女性に必要な栄養素がいくつか含まれています。

【パイナップルに含まれる主な栄養素】
・マグネシウム
・カルシウム
・葉酸
・ビタミンC
・ビタミンB群（ナイアシン、ビオチン、パントテン酸など）

マグネシウムや葉酸は、妊娠したときに摂取目安量が増える栄養素です。お腹の中の胎児にとって大切な栄養素なので、妊活中から意識して適量を摂りましょう。

また、カルシウムとマグネシウムは互いの働きをサポートするため、一緒に摂取することが好ましいと考えられています。

さらにビタミンCとビタミンB群が豊富に含まれているところもパイナップルの特徴です。ビタミンCやビタミンB群は子宮内膜の改善や卵子の質を高める効果が期待できます。

フルーツから摂れる天然のビタミンは酵素を助ける力が強いので、この点はパイナップルを食べるメリットと言えるでしょう。

パイナップルを食べる際に気を付けること

パイナップルを食べる際には「過剰摂取」に気を付けましょう。これはパイナップルに限った話ではありませんが、極端に多くの果物を摂取すると肥満や糖尿病のリスクを引き上げてしまいます。

果物は水分・ビタミン・ミネラル・食物繊維を含みます。野菜と異なる点はブドウ糖や果糖の糖質を多く含むことです。果物を食べすぎると、糖質の過剰摂取により中性脂肪の増大や肥満をきたすおそれがあります。
引用：e-ヘルスネット（厚労省）｜果物

フルーツばかりを食べる方、食後によくフルーツを食べる方の場合は血糖値の上昇にも注意が必要です。

以下の動画では「フルーツと血糖値の関係」を詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。

動画のポイント

最近のフルーツは糖度が非常に高い（血糖値が上がりやすい）
食後に糖度が高いフルーツを食べるのは控えた方が良い
野菜やフルーツだけの食生活では「酵素」が不足してしまうので注意

血糖値が急激に高まると、膵臓から分泌される「インスリン（糖質・脂質・タンパク質の摂取を調整するホルモン）」のバランスが乱れてしまいます。

インスリンには肝臓や血液中に含まれる糖分の量を調整する役割もあり、高血糖な状態が続くことは肝臓に良い影響を与えません。

卵子の質や排卵に関係する女性ホルモン「エストロゲン」は肝臓で代謝されるため、肝臓の機能が弱ると妊娠しづらい身体になってしまうリスクがあるということです。

タンパク質で構成されている卵子の成長を促すためには補酵素であるビタミンが必要となります。ただし、フルーツのビタミンだけではカバーしきれないので、そのほかの食事・サプリで栄養を補うことも重要です。

タンパク質（酵素）とビタミン（補酵素）をバランスよく摂取すると卵子の質が高まり、その結果として着床率が上がる可能性に繋がっていきます。

着床率を上げるパイナップル以外のフルーツや食べ物について

ここからは「パイナップル以外のフルーツや食べ物で着床率を上げるものはないか？」という疑問に答えていきます。

まず、着床率を上げるためには子宮の状態や卵子の質を改善することが大事です。子宮内膜症を患っている場合は特に子宮環境を良くすることが求められます。

その際に必要となる栄養素が「ビタミンC」「ビタミンE」「鉄分」です。

ビタミンCが多く含まれるフルーツはキウイです。そのほかレモン・オレンジ・イチゴなども天然のビタミンCを摂取できます。
ビタミンEを多く含む食べ物はアーモンドです。ビタミンEには血液をサラサラにして血流を改善する効果があります。
鉄分が多く含まれる食べ物は牛や豚などのレバー、または赤身肉です。血液の元となる鉄分を摂取し、子宮や卵巣に十分な血液を送ることで、子宮・卵子の改善効果が期待できます。

フルーツが妊活に与える影響については以下の動画で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

動画のポイント

フルーツに含まれるビタミンCは抗酸化力が高い
サプリメントはあくまで補助的な役割として使う
フルーツは腸内環境の改善、酵素としての働きも期待できる

先ほども説明した通り、フルーツには一時的に血糖値を高める効果があるため、摂り過ぎには注意が必要です。

血糖値が上がりやすいフルーツ、上がりにくいフルーツ、体質によって血糖値が上がるフルーツなどがありますので、自分に合ったものを選んでみてください。

パイナップルと着床率に関してよくある質問

ここからは「パイナップルと着床率」に関してよくある質問に答えていきます。

日ごろからパイナップルを好んで食べる方はぜひご覧になっておいてください。

【妊活の質問①】パイナップルはいつ食べるのが効果的？

パイナップルに含まれている栄養素を目的として食べる場合には、食後より食前をおすすめします。

栄養を吸収するのは胃であり、胃は最初に入ってきたもの（空の状態で入ってきたもの）をよく吸収するという特徴があります。

そのため、パイナップルの天然ビタミンCやビタミンB群を効率的に摂取したいときは食事の最初に食べましょう。

【妊活の質問②】どれくらいの量のパイナップルを食べれば良い？

農林水産省の情報によれば、1日あたり「200g以上」のフルーツを食べることが健康に良いとされています。

生産、流通、消費の関係団体並びに農学、医学、栄養学、食生活指導、料理等の関係者から構成された「果物のある食生活推進協議会」は、果物を毎日の食生活に欠かせない品目として定着させるため、１人１日当たりの果物摂取目標量を「可食部で200ｇ以上」とする「毎日くだもの200グラム運動」を推進しています。
引用：農林水産省｜果物と健康

この指針の中だとパイナップルの目安量は「0.3個」とされていますが、大きさによっても変わってきますので、ひとまず200g程度を参考にしてみてください。

なお、果物の摂取量や食べ方については「厚生労働省｜果物は1日200g程度食べましょう」も読んでおくと良いと思います。