肥満だと妊娠しにくいのはなぜ?|適切な体重計算式(BMI)とホルモン・排卵・子宮への影響を解説

肥満妊娠しにくいなぜ

妊活をしている女性の中には自身の体重を気にする人も少なくありません。実際、女性の体重は妊娠率に影響を与えることが分かっています。

この記事では、肥満体型だと妊娠しにくいのはなぜなのか?という疑問を解消するために、妊活中に知っておきたい「妊娠率と体重の関係性」を詳しくまとめました。

また、どれくらいの体重ならベストなのか肥満体型を改善するためには何をすれば良いのかといった点も解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

BMI値25を超える肥満体型だと妊娠率が下がる

女性体重計イメージ画像

統計的なデータから見ますと、BMI値が25を超える女性はBMI値18.5~25以下の女性と比べて妊娠率が下がります。

もちろん中にはBMI値が26以上でも妊娠する女性は存在しますが、一般的な見解として肥満体型の方は妊娠率が低下するという点を理解しておきましょう。

参考:Extremities of body mass index and their association with pregnancy outcomes in women undergoing in vitro fertilization in the United States(アメリカでの研究報告)

今回の検討から移植周期や年齢によって異なる結果が認められたものの、当院においても、やせや肥満が妊娠率を低下させる要因となることが示唆された。

引用:一般社団法人 日本IVF学会|当院におけるBMIとART臨床成績の関連性

なお、日本IVF学会の報告を参考にすると肥満体型の場合は自然妊娠だけでなく生殖補助医療(人工授精等)の成功率も下げる可能性があります。こうした複数のデータを踏まえ、肥満は妊娠率に悪影響を与えると言えるでしょう。

妊活中の女性は、まず自分のBMI値を計算して体重を落とすべきかどうかを考えてみてください。

BMI値の計算方法は「(体重/kg)÷(身長/m×身長/m)=BMI」です。

肥満だと妊娠しにくいのはなぜ?ホルモンバランスや子宮・卵巣への影響を解説

体重計イメージ画像

ここからは肥満体型だと妊娠しにくくなる理由を説明していきます。

BMI値が26以上の女性や25に近い女性はこちらの内容を見て、生活習慣の見直しを検討してみてください。

妊娠しにくい理由①ホルモンバランスの乱れ

人間の身体は肥満体型に近づくほどホルモンバランスの乱れが起きやすくなります。具体的な流れを以下にまとめましたので、ぜひご覧ください。

①女性ホルモンの分泌が過剰になる・肥満気味の身体には脂肪細胞が多く含まれる
・脂肪細胞から「レプチン」が分泌され「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の過剰な生成を促す
・エストロゲン量が増えると排卵を促すホルモン(FSH)の分泌リズムが乱れる
⇒結果としてうまく排卵できなくなる
②インスリン抵抗性により男性ホルモンが増える・肥満体型だと糖をエネルギーに変えるインスリンの効果が弱まる
・効果が弱まるため体内ではインスリンが過剰に分泌される
・インスリン量が多いと卵巣が刺激されて男性ホルモン(アンドロゲン)が増加する
⇒男性ホルモンが高まると卵胞の発育に悪影響を与え、なおかつ多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を引き起こすこともある
③排卵機能が乱れて月経周期も不安定になる・エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のバランスが崩れて排卵が不規則になる
・月経周期が36日以上と長くなる、または排卵自体が起こらなくなる
⇒排卵日が予測しづらく自然妊娠を狙うのが難しくなる

血中の女性ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部や下垂体に抑制をかけ、FSHとLHの分泌を抑制し、女性ホルモンの分泌を抑制します

引用:磐田市立総合病院HP|女性ホルモンと更年期障害

多嚢胞性卵巣症候群は、月経不順または無月経のほか、しばしば肥満、男性ホルモン(アンドロゲン)の血中濃度が高いことにより生じる症状(過剰な体毛やにきびなど)を特徴とします。

引用:MSDマニュアル|多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

上記の通り、肥満体型だと妊娠に必要な各器官の機能が低下してしまいます。こうした理由から妊活中は適切な体重管理が求められるということです。

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妊娠しにくい理由②子宮・卵子への影響

肥満は子宮や卵子の状態にも直接的な影響を与えます。

簡単にまとめると「肥満体型になる」⇒「血液の循環が悪くなる」⇒「子宮や卵巣が栄養不足になる」⇒「結果として妊娠しにくい身体になる」といったイメージです。

脂肪には一度冷えると温まりにくい性質があり、これが血行不良を引き起こします。(基礎代謝が下がり体内で熱が生まれにくくなる

血流が滞ると子宮内膜や卵胞(卵子)の成長が阻害されるため、妊娠率の低下に繋がるということです。

肥満症は、全世界で増加しているメタボリックシンドローム(生活習慣病)の一つであり、全身の組織機能低下のみならず、女性の卵巣機能低下や不妊症の大きな一因と言われています。

引用:広島大学HP|【研究成果】肥満症や加齢による生殖能力(妊孕性)低下を卵巣の代謝機能の改善により回復させることに成功

ご覧のように肥満体型は「不妊症の要因のひとつ」になってしまうので、適度な運動で体重を落としましょう。

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妊娠しにくい理由③婦人科疾患のリスク上昇

肥満体型の女性は婦人科系の疾患リスクが上がります。

肥満と関連する産婦人科の疾患といたしましては、1番に月経異常あるいは不妊症、2番目に子宮内膜癌・子宮体癌とも申します。

引用:徳島大学医学部産婦人科教授 青野敏博|肥満と産婦人科疾患

肥満が引き起こす可能性がある具体的な疾患や婦人科系の異常は以下の通りです。

分類疾患名や異常内容症状・悪影響
排卵障害・無排卵月経
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・月経はあるが排卵していない状態
・月経不順、ニキビ、多毛など
子宮関連・子宮内膜過形成・子宮内膜が厚すぎて着床しにくい
卵巣関連・卵巣腫瘍
・卵巣がん
・チョコレート嚢胞
・腫瘍の圧迫による排卵、卵管機能の阻害
・腹部膨満、食欲不振、下腹部痛など
・卵巣の癒着や卵子の質低下で受精率が下がる恐れ
卵子関連・卵子の質低下・卵子の成熟が不十分、胚の発育不良

上記のような疾患や異常が現れると、当然妊娠しにくくなり、妊活を阻害する一因となってしまいます。

自然妊娠・生殖補助医療による人工的妊娠のどちらに対しても悪影響を及ぼすので、日頃から体重の増減は意識しておきましょう。

参考:日本産科婦人科学会HP|不妊症の診断と治療ガイドライン(2023)

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妊娠率を上げるために肥満体型を改善するダイエット方法

妊娠率を上げるためには肥満体型を改善することが必要です。ここでは、あくまで妊活中を前提としたダイエット方法を簡単にまとめました。

食事のポイント・タンパク質を中心に鉄分、ビタミンB群、葉酸、亜鉛などの栄養素を意識的に摂る
・脂肪分の多い食事は控える(例:鶏もも肉⇒鶏むね肉に変えるなど)
・夜遅い時間の食事は避けて空腹時間を作る
運動のポイント・1週間に2~3回ほど緩やかな有酸素運動をおこなう(例:30分ほどのウォーキングなど)
・子宮周りの血流改善のために股関節を意識した筋トレをする
・激しい有酸素運動または無酸素運動は控える(酸化ストレスを抑えるため)
睡眠のポイント・1日あたり7~8時間の睡眠時間を確保する
・十分な睡眠によりストレスホルモンを減らす
・寝る前の温活により睡眠しやすい状態を作る

ただダイエットをする場合だと激しい運動や極端な食事制限をする人もいます。しかし、妊活中のダイエットでは体重を落とすことと子宮や卵巣の状態を改善することの両方を求めなければなりません。

そのため、食事に関しては量だけでなく栄養素に注目しながら献立を決めることが重要です。また、激しい運動は酸化ストレスを一時的に高める恐れがあるので妊活中のダイエットには向きません。(酸化ストレスは卵子の質を下げる恐れがある)

こうした部分を意識しながらダイエットをおこない、適切な体重まで落としていきましょう。

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肥満と妊娠率に関してよくある質問

ここでは肥満体型に悩む方からよくある質問に答えていきます。

それぞれの内容を見ていきましょう。

太ってる人ほど妊娠しやすいはウソ?

太ってる人ほど妊娠しやすいといった医学的根拠はありません。当記事で解説している通り、肥満体型の人は妊娠率が低下する傾向にあるので、こちらはウソの情報と言えるでしょう。

妊娠しにくい肥満体型は何キロから?

「何キロ以下なら妊娠しやすい」ということではなく、あくまで身長とのバランスによって適正な体重は決まります。不妊治療の観点から考えると「BMI18.5~25」が適正な体重と言われていますので、こちらの範囲に収まるよう体重管理をしましょう。

もっとも妊娠しやすい体重は何キロ?

前述の通り、妊娠しやすい体重は身長によって変わりますので、同じように「BMI18.5~25」を目安にダイエットをしましょう。

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肥満体型で妊娠しにくいと悩んでいる方はファンクショナルマッサージ治療室まで

ファンクショナルマッサージ治療室の特徴

肥満体型で妊娠しにくいと悩んでいる方は一度ファンクショナルマッサージ治療室までお越しください。当院では妊活鍼灸メニューや骨盤マッサージのほか、妊娠しやすい身体づくりに役立つ運動・食事内容のアドバイスもおこなっています。

ファンクショナルマッサージ治療室の基本情報

ファンクショナルマッサージ治療室トップ

ファンクショナルマッサージ治療室は東京・神奈川エリアに合計で9店舗を展開しています。

各院には多くの女性スタッフが在籍していますので、妊活にお悩みの女性がひとりでも気軽に通える環境が整っています。

ファンクショナルマッサージ治療室・茅ヶ崎院

不妊改善を目的とした鍼灸治療のほか、骨盤マッサージや妊娠しやすい身体づくりへのアドバイスもおこなっています。

「妊活中はどういった食生活が望ましいのか」「どういった運動ならしても大丈夫なのか」といった疑問を抱えている女性は、ぜひファンクショナルマッサージ治療室までご相談ください。

ファンクショナルマッサージ治療室の実績

ファンクショナルマッサージ治療室・年代別ご懐妊割合

ファンクショナルマッサージ治療室ではこれまでに6,000人以上の妊活女性をサポートしてきました。

過去における年間の妊娠率は約80%~90%と非常に高い数値を誇っていて、中には51歳でご懐妊された女性もいます。

鍼灸と妊娠率

海外の研究では鍼灸治療が妊娠率アップに役立つことが分かっています。これまでに様々な不妊治療を試みても良い結果が得られなかったという女性は、一度ファンクショナルマッサージ治療室の施術を体験してみてください。

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ファンクショナルマッサージ治療室のオンライン妊活お悩み相談会

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ファンクショナルマッサージ治療室では通院できない女性、遠方に住んでいる女性のためにオンラインでの「妊活お悩み相談会」を実施しています。

オンライン妊活お悩み相談会とは
  • 専門の講師が妊活に役立つ最新情報をレクチャー
  • 参加費は完全無料(キャンセル料等もいっさいなし)
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日々、不妊の改善方法は研究している専門講師からの情報を聞けるだけでなく、気になる点を直接質問できるところが大きな特徴です。また、画像と音声は自分でオフにできますので、誰かに自分のことを知られる心配はありません。

参加するにあたって費用はいっさい掛かりませんので、この機会にぜひ予約をしてみてください。

肥満体型を改善すれば妊娠率アップが期待できる|サポートならファンクショナルマッサージ治療室

ファンクショナルマッサージ治療室・院長紹介

「肥満体型だと妊娠しにくいのはなぜなのか?」という疑問を解消するために、肥満が妊娠率を下げる理由を詳しく説明してきました。

この記事のまとめ
  • 肥満はホルモンバランスの乱れ、子宮・卵巣への直接的な影響、婦人科疾患や異常を引き起こす一因
  • 妊娠しやすい体重は「BMI値18.5~25」とされている
  • 妊活中であることを踏まえた上で必要な栄養素を摂取しながらダイエットすることが重要

自分では適切な運動方法や食事内容を考えられないといった場合には、一度お近くのファンクショナルマッサージ治療室まで相談してみてください。

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